経団連の中西会長が終身雇用制度を否定したニュースを見て思うこと

少し前、経団連の中西宏明会長が、「終身雇用を続けていくのは難しい」という旨の発言をして話題になりましたね。

正直、経団連の会長がいちいち言わなくとも、日々必死に働いて生活している日本人のほとんどが、「そんなこと、いまさら言われずとも分かっとるわ!」と思ったことでしょう(笑)

ただ、経団連のお偉い方がこうやって公の場で、「終身雇用制度(=日本の古くから継続してきた雇用制度)が時代の流れに合わなくなってきており、崩壊しつつある」ということを発言したことは、非常に大きな意味をもつと思います。

これまで、終身雇用が崩壊しつつあることを理解しながらも、心のどこかで「自分の会社だけは大丈夫。」だとか、「自分が生きている間の雇用は大丈夫。」だとか考えている方もいたのかもしれませんが、そんな甘い未来がこの先に存在しないということがハッキリしましたね。

まあそもそも、終身雇用「制度」という名前がついてはいるものの、本来法律などで明確に定義されているものでもありませんから、企業に対して定年まで雇ってもらえることを期待すること自体、危険で甘い考え方ではあったのですが。
※事実、NECや富士通といった大企業ですら、45歳以上を対象にしたリストラや配置転換、早期退職者募集を何度もやってますし。



ますます僕たちは、自分の身は自分で守らなければならない時代になってきたということです。

会社に誠心誠意尽くしまくり、その見返りとして定年までの生活を会社に保証してもらう、なんていう働き方は、今の日本では厳しくなっていくということです。
というか、下手すれば使うだけこき使われて、見返りゼロで捨てられる可能性もあります^^;
最近のブラック企業経営者たちは容赦ありませんからね。

いよいよ本格的に、僕たちは自分の手で稼ぐ術を身につけなくてはならなくなってきました。
いつリストラされるかもわかりませんから、うかうかローンも組めませんね。



現在はまだ移行期のため、社員を定年まで雇っておく体力はすでにほとんどない状態にもかかわらず、終身雇用制度を続けようとする日本の企業がまだまだ多く存在してはいます。
一部のベンチャー企業や外資系を除くと、ほとんどがまだ見せかけの終身雇用制度をとっているのではないでしょうか。

大企業が大規模なリストラや早期退職者募集を行ったというニュースは、これまでにも何度も聞く機会がありましたが、それでも、ほとんどの企業においてはまだまだ特定の社員を囲い込みたいという欲求は強くあるようです。

終身雇用制度を用いることで、企業には長期的に人材を確保し、優秀な人材を囲い込むことができるというメリットがありますので、企業側としてもいきなり方向転換することは難しいと思われます。



しかしこれがまた厄介なもので、既に社員を定年まで雇っていくだけの体力がない企業が、ムリヤリ終身雇用制度を維持しようとすると、必ず別のところにしわ寄せが発生します。

そして今、そのしわ寄せが僕たち若い人や雇われる側の人に向かってきています。



かつての日本の終身雇用制度では、企業に雇われる側の人としては、以下のようなメリットを享受することができていました。

  • 定年まで働き続けられるという安心感が得られる
  • 社員として長期的に教育を受けられる
  • 定期的に昇給が約束されるためモチベーションが上がる
  • 高い退職金を受け取ることができる

しかし今の企業は、雇われている人が享受すべきメリットが与えられないにも関わらず、そうメリットがあるように見せかけており、その結果、雇われ側の人は大したメリットを享受できないにも関わらず、終身雇用時代と変わらない水準での労働力を提供し続けています。

長年企業に勤めたところで給料はちーっとも上がりませんし、下手をすれば、役職が上がって給料変わらず、責任だけ重くなってしまった、なんて話も聞きますよね。
定年まで雇ってあげるよ~ と甘い言葉で企業への忠誠心と勤勉さ、労働力を求める一方で、ある年齢までくればさっさとリストラしてしまいます。

まさに「搾取されてポイ捨てされている状態」と言っていいでしょう。



ぶっちゃけると、景気の悪い今の日本の企業や経団連の方が望むのは以下のような人材ということです。

  • 若くて体力がある
  • 人材育成が不要で即戦力がある
  • 低賃金で働いてくれる
  • いつでもクビにできる

景気が良く、企業の成長も右肩上がりだった時代であれば、終身雇用制度は非常に優れた制度であり、企業側も労働者側も Win-Win の関係だったのかもしれません。
しかし、今の日本を覆っている閉塞感や先行きの不透明さは、企業から体力を奪って労働環境を悪化させ、僕たち労働者からも時間や体力、将来への希望などを削り取っている状態です。

日経平均株価上は景気が良くなってきていることにはなっていますが、国民の大多数や中小企業はそんなことは実感しておらず、数字のまやかし程度にしか感じていません。ウハウハなのは大企業の役員クラスと政治家だけです。

そしてこれらは、働き方改革が叫ばれたり選挙が行われたりしても、すぐに大きくは改善されないでしょう。



ここまでの通り、もう企業や国に期待できる状態ではありません。
今回経団連会長の言葉は、ただただサラリーマンを何も考えずに続けていくことの危険さを再認識させてくれましたね。

僕たちは1企業に雇われているただのサラリーマンという肩書から脱しなければなりません。

サラリーマンとしてお金を稼いでいくためにも、特定のスキルがもちろん必要にはなります。
しかし、それはあくまで「サラリーマン(=特定の企業に雇われている状態)でこそ使い物になるスキル」というだけで、その前提となる企業がなくなってしまえば、一気に使い物にならなくなる可能性があります。

それはまるで、Youtuber として稼いできた人が、Youtube というサービスが終了した途端に、一気に収入ゼロになってしまうようなものです。
梯子を外されたら、後は際限なく落ちていきます。



こういった状況を回避するためにも重要な対策としては、「サラリーマンとしてのスキルのみを高めていくことの危険性」を認識し、サラリーマン以外の部分で自分をブランディングし、市場で戦える状態にしておく必要があるということです。
(身に着けるべきは「1会社に求められるスキル」ではなく、「市場全体から求められるスキル」ということです。これを間違えると、やはり会社の看板を外した時に、市場から求められることなくドロップアウトするしか道がなくなりますので。)

会社の看板がある状態でいくら無双できたとしても、その会社は僕たちをあっさりと切り捨てる可能性がどんどん高くなってきています。

「会社の看板」という不安定な土台の上に自分のキャリアを築いていくことは、耐震構造も免震構造も何も施さずに、高層ビルを建築しようとするくらいに不安定で危険なことということになっていきます。

まさに砂上の楼閣です。



既に時代の流れは大きく変化してきています。
もうここまでくると、一般人が集まって企業や社会に対して文句を言ったところで、何も変わることはありません。

腹をくくって、本業以外の部分でも自分の腕一本で稼げる力、副業で稼げる力をつけておきましょう。

副業のスタートとして僕がおススメしている GoogleAdsense は、今後何十年も安泰なビジネスかと問われると不安な部分はありますが、間違いなくネットビジネスの基礎力~応用力を身につけられるビジネスです。

この先また大きく時代の流れが変わる前に、お金もスキルも身につけてしまうためにも、始めるなら早いうちがいいですね。



あ、あと、以前もお伝えした通り、大したメリットも提供できない企業が押し付けてくる「副業禁止」のルールなんてものは、完全スルーで問題ないですよ。
社員の忠誠心を求めつつ、何も見返りを与えないとか、企業側のエゴでしかないですからね。

ではでは。

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